インディーズ時代のアルバム「STRAIGHTEN IT UP」「ERROR」「SKELTONIZED」の3枚に加 え、the PeteBestとのスプリット盤「DRAGORUM」からの一曲「MOUNT」を収録した、タイトル
通りの初期ベストアルバム。まさしく、ストレイテナーにハマり出しのリスナーには垂涎の一枚
と言えようが、当時からのファンにとっては心底「(゚д゚)ハァ?」な作品であろう。だって、過去作3枚
合わせて5000円以上するものを、+αのついた今作でその半額だもんよ…(^^;
そこそこのテナー好きを自称する叶月でしたが、お恥ずかしいことにインディーズ盤には手を
出していなかったので、今回のベストの発売はやっぱり嬉しかったワケで。現在のテナーサウ
ンドの片鱗を垣間見るべく早速聴いてみたところ…インディーズ時代の音は所詮メジャー以降
とは比べるべくもない、との見解だった自分、いろんな意味でド肝を抜かれてしまいました。
まず、メロディーがポップ・キャッチー・メロディアス!時に激しく、時に切なく流れる旋律は基
本的には今と変わらないものの、当時の彼らからは泉の如くグッドメロディーが湧き出てやま
なかったのではないか、という想像が否応なしに働く。もちろんメジャー以降の作品も逸品で
あることは言うまでもなく、噛めば噛むほど的な曲はメジャー以降に多いのも事実だが、インデ
ィーズ期の楽曲からは「まだまだ名曲を生み出せるぜ」という将来的な余裕を感じる。
次に、スタイルの変化…と言ってよいのだろうか?冒頭では「おっ、健全なるテナーワールド
だな」程度の印象なのだけれど、後半になるにしたがってホリエ氏のボーカルがどんどんバイ
オレントな方向へと向かっていく。「音楽で心の歪みを真っ直ぐに」をコンセプトに掲げる彼らだ
が、この頃の彼ら自体に心の歪みがあるんじゃないかという余計な心配をしてしまう(ぉぃ)。
「EAGLE SHARK PANTHER」や「UNDER ATTACK」、PEALOUT辺りを彷彿とさせるラストナン
バー「YES, SIR」まで来ると「いつものママじゃなぁ〜い!!」という気分にすらなってしまったが
(爆)、これはこれでまた何ともいい味を出しているのだから捨て置けたモノではない。
それから今作、インディーズ音源であると同時に「ベースレス時代」の音源でもあるワケだが
… 装飾音の類いは除き、これって本当にギターとドラムだけの構成?一部の曲は明らかに
ベースと思われるそれが入っているようにも聴こえるんだけど… 別にベースが入ってたから
って裏切られた気分になるモンでもないのだけど、ちょっと気になったんで一言。
というワケでこの初期ベスト、予想を大きく反する世界があってなかなかに新鮮でした。で、
ベースも加わり、さらにバンドサウンドの強化された今、インディーズ時代の楽曲を再録したリ
メイクアルバム出してみるのも面白いんじゃないかなあ。これだけ元がいい楽曲揃いなのだ
から、ぜひともよりタイトになった演奏で聴いてみたい。今すぐじゃなくてもいいので、熱望する
次第であります。(2005/5/6)
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