ALBUM REVIEW
レミオロメン
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TITLE | HORIZON |
Released | 2006.5.17 | |
SINGLES | 「蒼の世界」「粉雪」「太陽の下」 | |
Evaluation | ★★★★★☆☆☆☆☆ | |
ついに彼らの代表曲といえる「粉雪」を世に送り出し、その地位を不動のものにしたレミオロ メンの3rdアルバム「HORIZON」です。なんかこのアルバムが発売された頃のメンバー写真(コ レ)がw-inds.みたくおすまし顔で、「おいおい君たちはアイドルじゃなくてロックバンドだろ?」 と微妙な心持ちになったものですが(笑)。 で、このアルバム、リードタイトルでCMソングにも起用された「スタンドバイミー」をアルバム に先駆け耳にして、その圧倒的な爽快感・ポップ感を感じた時から何となく予想はついていた のだけど、これまでにも増して大衆向け要素が強まった内容になってます。 まず装飾音が増した。前作「ether」からその傾向はあったが、今回はそれ以上。こっから3ピ ースの音抜いてもだいぶ音数残るだろー、みたいな。「ether」を聴いた時は「そんなに悪いモ ンでもないんじゃないかな」と思っていた自分も今作の装飾の多さにはちょっと首をかしげてし まいました。前作までは楽曲ありき、装飾はあくまで装飾という程度であったと思うけど、今回 はアレンジのきらびやかさに楽曲が引きずられてしまっている。シングル曲をはじめ「プログラ ム」「傘クラゲ」「紙ふぶき」など、基本的には藤巻クオリティーのメロディーは健在なんだけど、 「1-2 Love Forever」とか「明日に架かる橋」あたり、受けのよさそうなものを変に意識しすぎ て空回ってる気が。特に後者は「メロディーラインが予測しないところにいく」という以前からの 評判を意識してのものだってのがわかりやすすぎ。歌詞も歌い出し「夢見てOK それでOK」っ て何じゃそりゃ。 何だか、あまり良くはない意味で「リスナーの期待に応えようとしている」様子が窺い知れて しまうんですよね。確かに世間は彼らにミスチル・スピッツのようなポップメイカーとなることを 望んでいたけれども、それイコールただウケのよさそうな演出を施せばいいってものじゃあない でしょう。自分たちが行き着くべき到達点こそ見定まったものの、そこに至るまでの道筋にお いて迷走しているような。売り出されの頃から(レコード会社などの思惑に)振り回されている 印象のあったこのバンドも、それなりに売れてくればちゃんと自立したアイデンティティーを発 揮できるか思っていたが、実際に売れてからも依然振り回されてる、そんな気がしてしまいま す。「これが俺たちのやりたい音楽だ!」という確固たる信念をもってできたアルバムなのだと したら、もう言うことは何もないのですが。(2006/11/12) |