ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェス「NANO-MUGEN FES.2005」の出演者の
楽曲により構成されたコンピレーションアルバム。エルレやテナーなど今をときめくバンドはも
ちろんのこと、洋楽ではあのASHまでもがこのコンピに参加してます。
今や日本のポップロックバンドの旗手という認識も大それたものではないアジカンが主催す
るフェスだけあって、そのコンピ版の曲目も一通りに見てポップなロック。1曲目の「Burn Baby
Burn/ASH」はさすが数々の音楽賞を総ざらいにしたアルバムからの1曲とのことでアホみた
いにキャッチーで痛快なナンバー。2曲目は主催者アジカンの新曲「ブラックアウト」。この曲に
対する所感はすでに別の場所で語ったので割愛するが、パワーポップバンドとしてのアジカン
がひとつの完成をみたことを思わせる名曲だ。「I Love You 'Cause I Have To/DOGS DIE IN
HOT CARS」は全編にわたってタイトルのリフレインが繰り返される、一度ハマった人はとこと
んハマっちゃいそうな曲。エルレの「Bored Of Everything」は4月に発売された最新アルバム
「RIOT ON THE GRILL」の中でも叶月一押しの佳曲で、この曲をチョイスしたことには親指を立
てたい。5曲目の「Tongue Tied/FARRAH」はシンプルなポップロックの一言に尽きるが、何
にしてもメロディーがいい。6曲目「SUGAR BOMB BABY/INDUSTRIAL SALT」はまさかのガ
ールズバンド。だけに、ボーカルは弱い気がするけど打ち込みっぽいサウンドは広がりがあっ
て、なかなか。現代ロック界では明らかに浮いている(悪い意味でなくね)スパルタローカルズ
の「ロックとハニー」は、あまりピンとこなかったけどDOGS DIE〜同様、一度ハマったら病み付
きになりそうなタイプ。ラストを飾るテナーの「WHITE ROOM BLACK STAR(Stout Version)」は
sg「THE REMAINS」のカップリング曲のバージョン違いで、わりと王道のテナー節が聴ける。
とまぁ一口に感想を書き連ねてみましたが、「アジカン主催のロックフェスのコンピ版」として
は特別場違いな曲はなく、アジカン目当てで買ったという人もそれなりに楽しめる曲目なので
は。ただ一つ難を挙げるとすれば、このコンピ自体に対する心持ちは微妙なところだったり。こ
ういう風に主導権もったり牽引したりするようなカリスマ性をたたえたアジカンは、理想のアジ
カン像じゃないというか…(笑)(2005/8/16)
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