GOING UNDER GROUNDのメジャー1stフルアルバム。
メジャーデビュー作らしく後のGUGの作品と比較してもロックバンドの初期作品らしい、よくも
悪くもバンドの若さを感じる一枚になっている。しかし、後に肩書きとして定着する「胸キュン」
なメロディーセンスや、時にアクセント的に、時に曲の中核的に用いられるキーボードはこの頃
からすでに絶妙。sg曲「グラフティー」は初期のGUGを代表する名曲といっていいだろう。終始
性急なテンポで駆け抜けるかのようなバンドサウンドがスリリング。「雨の樹」「凛」「アロー」で
は先に述べたハートウォームなメロディーが光る。「ショート バケイション」は後のアルバムに
ちらほらと散見される「お遊びソング」。でもなぜかこれ以降のそれに比べてもあんまりアルバ
ム内で浮いている印象はないです。表題曲「かよわきエナジー」では曲の後半からなんとあの
「カントリーロード」になだれ込む。オリジナルのまま終わらせてもよかったような…この辺も初
期衝動的といいますか、若気の至りですねぇ(笑)。
というように、今と比べていろんな意味で普通のロックバンド然としているものの(いや、ロッ
クバンドなんですけれども)、後のGUGにつながる要素もすでに確立されていることをうかがわ
せてくれるアルバムだ。ただ、GUGクオリティーとしては標準以上の曲が揃ってると思うんだけ
ど、アルバム一枚としてみると何となく他のGUGのアルバムに比べて印象は薄かったりも。ロ
ックバンドのアルバムとしてはパンチが足りないと感じるためかな?そんなGUGのメジャー1枚
目ですが、リリースを重ねるにつれその作風は普通のロックとは一線を画していく。今シーン
にそれなりのアイデンティティーと知名度を提示することに成功しているその勝因は、「桶川の
ウィーザー」との別称に象徴される泣きのメロディーセンスにあった。(2006/7/21)
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