ALBUM REVIEW



Def Tech

TITLE  Def Tech
Released  2005.1.22
SINGLES  (なし)
Evaluation  ★★★★★★★☆☆☆
 目下、ブームを巻き起こしているDef Techなる2人組の1stアルバム、でいいのかな。
こんな昨年までそう何度も目にしたことあるでもないような人達がなぜに今にしてウケてんの
かな、と思いつつ履歴を調べてみたら、知る人ぞ知る(でもないか)RIZEの2003年発表のシン
グル「VIBRATION〜introducing Def Tech」で競演なんかしてるという意外な伏線が。あれ、
俺この曲当時から知ってるけど、こんなところにいたの?って感じ。他にもBENNIE Kのアルバ
ムなんかにも参加してて、それぞれのメンバーもこのアルバムでゲスト参加している模様。
 そんなこのDef Tech、レゲエを基調としたスタイルが基本で、初めて彼らのことを知った時は
ただの(…と言うと語弊があるが)コーラスワークが自慢の2人組と思っていたのだけど、どう
やら作曲や楽器の演奏もお出来のようで、単なるのど自慢グループという括りにはできない感
じです。特に驚かされたのは9曲目の「Micro's House」。これが完全なるインスト曲で、フツー
にカッコいい曲でやんの。とりわけ、ただ歌が上手いだけの人たちかと思って聴いてみた人の
期待をいい意味で裏切ってくれるんじゃないかな、コレ。叶月自身もそのクチだし。
 とは言うものの、このアルバムの一番の聴きどころをひとつ挙げるとすればやはり「歌」でし
ょう。例えばCHEMISTRYやゴスペラーズみたいなユニットが切々とバラードを歌って、聴き手を
魅了するのに対し、Def Techは歌唱難易度の高いメロディーラインをそつなく、軽快に歌いこ
なしてしまうところが何よりの魅力。その足どりの軽さが実に気持ちいいんだよね。
 総評では、間違いなく完成度の高い部類に含まれるのではないかと。時の運と群集心理で
人気を博しがちな口コミ系だけど、彼らには「俺らのココがオリジナルだ!」と堂々と言える要
素があるように思います。
 ただ、「Quality Of Life」に見られる社会的メッセージみたいなのは微妙に蛇足かも。男性が
女性差別のことくどくど語っても、女性側としては手放しで「いい事言った!!」とは言えないんじ
ゃないの、とか思ってしまうんだけど…。(2005/4/18)
TITLE  Lokahi Lani
Released  2005.6.29
SINGLES  (なし)
Evaluation  ★★★★★★☆☆☆☆
 1stアルバム「Def Tech」が無名の新人としては異例のヒットとなり、その余波が未だ冷めや
らぬうちにリリースされた2ndアルバム。
 「Def Tech」という嬉しい誤算がなければおそらく発売されることのなかったアルバムでしょ
う。前作が9曲入りミニアルバムだったのに対し、今作は5曲とシングル並みの曲数(ちなみに
価格も1050円とシングル並み)。コストパフォーマンスがよろしいのはいいのだけれど、これだ
けの短いタームで5曲って?しかもうち1曲はアレンジ違いの重複曲だし。というワケでこの2nd
ミニアルバム、少なからずリリースの動機が怪しまれる作品です。なおそのアレンジ違いの曲
では、爆発的なヒットを収めてからは初めてのアルバムってことで、盟友のRIZEがここぞと「
イツらを見出したの、オレらだから
」と言わんばかりにDef Techにreintroduceされてます(笑)
 とまぁ、聴く前からいろいろとクエスチョンマークが浮かんできてしまうんですが、肝心の中身
はというと、前作からそれなりにステップアップを踏んでいるのであります。1曲目2曲目はもろ
前作の流れを踏襲したような楽曲で、この辺までは「やっぱりな…」と思っていたところ、次い
で始まるのが「In Outside」。この曲では歌ラップのようなレゲエラップのようなそれまでの彼ら
の印象を一気に払拭する痛快なラップが炸裂!一方のバッキングトラックもシンセワークが冴
えまくり。えーコレ名曲だよ…(何)また、「Deep Blue」ではレゲエとロックの融合にも挑戦(な
のか?適当に言ってます←コラ)。9分におよぶナンバーで、山場を越えた後半数分はさすが
に間延びするけど、新しいアプローチを見せようとする気概は感じられる一作です。
 これらの楽曲を踏まえると、少なくとも同じことをやって終わろうという、そんなアルバムでは
ないようです。ただやっぱりこれだけの短いスパンでのリリースの動機には疑問が…。まぁク
オリティーの高い作品を届けられるなら、スパンは短いにこしたことはないですが…「売れてる
今のうちに」っていう意図は少なくとも、ゼロではなかった気はします。それにしても、「In
Outside」はホントにカッコいいのでおすすめです。この曲の分+αして★6つでお願いします。
(2005/7/23)
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